【解説】Cloudflare大規模障害でX・ChatGPTが世界的ダウン
Cloudflareの大規模障害によってXやChatGPTを含む世界中のサービスが同時多発的にダウンした原因と背景をわかりやすく解説。
2025年11月19日、全世界のインターネットが一時的に"崩壊"しました。 その原因は、AWSでもAzureでもなく、Cloudflare――世界の20%のWebサイトを支えるインフラ企業です。
この記事では、
- 何が起きたのか
- なぜCloudflareが落ちたのか
- BBC報道のポイント をまとめて解説します。
1. 何が起きた?
2025年11月19日早朝、Cloudflareのグローバルネットワークが内部サービスの劣化を起こし、多数のサイトが一斉にダウンしました。要するに“全部燃えてるけど、まだ原因が分かっていない”状態です。

影響を受けた主なサービス:
- X(旧Twitter)
- ChatGPT
- Zoom
- Canva
- Grindr
- League of Legends のログイン
- そして皮肉なことに DownDetector までダウン
BBCの記事は以下のようにコメントしています。
「多数の高トラフィックWebサイトがダウンした。 Cloudflareの設定ファイルが意図せずクラッシュを引き起こした。」
2. 原因は?
当初は「サプライチェーン攻撃ではないか」「DNS設定ミスか」など、さまざまな憶測が飛び交いました。 しかし後に Cloudflare のCTOが明らかにしたのは、より“地味”かつエンジニアには身に覚えがありそうな原因でした
「ボット対策機能を支えるサービスに潜んでいた潜在バグが、ルーティンの>設定変更をきっかけに顕在化し、ネットワーク全体に影響が波及した」
具体的には、
- ボットや攻撃トラフィックを制御するための「設定ファイル」が自動生成されている
- そのファイルが想定よりも巨大化し、処理するソフトウェアがクラッシュ
- そのソフトウェアを利用している複数の Cloudflare サービスに障害が連鎖
という流れです。 BBC側も同じ内容を確認しています:
「脅威トラフィックを処理するための設定ファイルが正しく動作せず、クラッシュを引き起こした」
ポイント: Cloudflareは世界の多数サイトの
- DNS
- CDN
- DDoS防御
- Bot対策
- CAPTCHA を提供しているため、**単一障害点(Single Point of Failure)**になっている。つまり、Cloudflareが現代のさまざまなサービスを支えているだけど、気づいたらcloudflareなしでは結構なんもできない状態担ってたって感じ。
専門家のNetBlocks代表も BBC で指摘:
「Cloudflareは世界最大級の単一障害点になっている」
3. 実際のエラー画面
BBCの画像(p.2)には、ユーザーが遭遇したエラーが掲載されています:

“Please unblock challenges.cloudflare.com to proceed.”
X(Twitter)上でも、Cloudflare起因のエラーが表示されたと報じられています。
4. 過去の障害との比較
2025年は異常な年でした:
- AWS大規模障害(先月)
- Azureでも障害
- そして今回Cloudflare
BBCはこう伝えています:
「これらの連続した障害は、巨大インフラへの依存の脆弱性を浮き彫りにした」
インターネットはかなり分散しているように見えますが、実際は巨大企業の集中インフラに依存しきってしまっています。
クラウドサービスは、私たちの日常的なアプリから金融インフラ、日本の政府機関のシステムまで、多岐にわたるサービスを支えています。そのため一社であっても、大規模クラウドの障害は「社会インフラの障害」に近いインパクトを持ちつつあるということが改めて実感させられます。
5. この事故が示した教訓
① Webインフラの集中化リスク
世界中のサイトがCloudflare経由で守られているため、 「Cloudflareが落ちる=インターネットが落ちる」 という構造が明らかに。
② Bot対策・DDoS対策の“巨大化”
今回のトリガーは、悪意ある攻撃ではなく 防御システムの肥大化 という皮肉。
③ 企業・開発者への示唆
- 単一プロバイダ依存の見直し
- リスク分散(マルチCDN / DNS)
- 大規模設定ファイルの自動生成における上限管理
まとめ
- Cloudflareの内部設定ファイルのバグが原因
- 世界の主要サイトが広範囲でダウン
- 攻撃ではなく技術的事故
- インターネット依存構造の脆弱性が露呈
- 専門家は「巨大な単一障害点」だと警告